省庁動向 2013年度 経産省予算原稿

 

2013年度環境関連予算(経済産業省編)

エネルギー需給関係の安定化に向けたビジネスを支援

 

 

2013年度の環境ビジネス関連予算は、東日本大震災以降の原発の停止を受け、電力需給の安定化が大きな課題となるなか、再生可能エネルギーや自家発電設備導入による電力の供給増と共に、民生部門と産業部門の両部門に対する省エネの推進関連事業を支援するものとなっている。合わせて資源の安定確保を図るとともに、先進的な省エネルギー、再生可能エネルギーインフラ・システムの輸出で、日本の存在感を高め、国際的な環境改善に貢献しようという予算となっている。

被災地の産業再生と復興に再生可能エネルギー事業

東日本大震災からの復興支援のため、被災地の産業振興や雇用創出に資する研究拠点を整備して、企業立地を促進することが政策上も重視されている。被災地の産業再生の中心となる事業の一つが再生可能エネルギー関連事業だ。特に、原発で大きな被害を受けている福島県での再生可能エネルギー関連事業に大きな予算がついた。

世界最先端の浮体式洋上風力発電システムを福島県沖に設置し、洋上風力発電技術の確立を目指す実証研究事業には、95億円の新規予算が確保された。

福島県内の民間企業が再生可能エネルギーに関する次世代技術に係る研究開発に対する支援には3億円の予算が確保された。

当面の電力需給安定化のために省エネを重視

当面の電力需給安定化のためにまず重視されているのは省エネ部門だ。

民生部門では、住宅・ビルの革新的省エネ技術導入促進事業費補助金に、前年度比57%増となる110億円の予算が確保された。この事業には2012年度補正でも130億円が組まれており、住宅・ビルのネット・ゼロ・エネルギー化を国が重視していることが窺える。

対象となるのは、躯体の高断熱化、太陽熱温水器、高効率空調機、LED証明と人感センサー、高効率給湯器、蓄電池、HEMS、高性能窓などが想定されている。

前年度補正で130億円の補正の対象となるのは、スマートマンション事業で、省エネ設備導入と共に、マンション全体のエネルギー管理を行う、マンション・エネルギー・マネジメント・システム導入費用の一部が補助される。

産業分野では、ガスコージェネレーションや自家発電設備等の分散型電源の設置促進に、250億円の新規予算が確保された。自家消費向けの再生可能エネルギー発電システムの設置補助には、前年度の約3倍となる30億円の予算が確保され、発電量の変動を抑えるための蓄電池導入も補助の対象となった。

企業の工場・事業場での省エネ設備への入れ替えには、前年を上回る310億円の補助金予算が確保され、中小企業の取り組みについて重点的に支援するとしている。

自動車・物流関係で省エネ重視

物流分野での省エネ対策推進のため、省エネ型ロジスティクス等推進事業補助金制度が新設され、25億円の予算が確保された。

次世代自動車の普及支援には2012年度補正でも充電インフラ整備のために1,005億円の予算が追加されたのに加え、2013年度は電気自動車等の次世代自動車導入促進のために、前年度を上回る300億円の車両購入補助金予算が確保された。

2015年の燃料電池自動車の市場投入に向けては、4大都市圏を中心に100カ所以上の水素ステーションを整備するための補助金に45.9億円が新規で確保された。燃料電池自動車と水素ステーションのコスト低減化のための技術開発には20億円の開発事業予算が新規で確保されている。

再生可能エネルギーでは風力発電予算が大幅増

再生可能エネルギー導入拡大に関する予算総額は、前年度(約435億円)の2倍以上となる約977億円となった。

中でも再エネの中では相対的にコストが低い風力発電の導入拡大のためには、250億円の送電網整備実証事業費補助金予算が新規で確保された。北海道地区の送電網敷設から着手し、ビジネスモデルや技術課題の実証が行われる。復興支援事業でも福島県沖に浮体式洋上風力発電システムを設置する実証事業に95億円が確保され、福島県の復興支援に風力発電事業が活用される。

発電時のCO2排出量がゼロで、出力も安定した純国産エネルギー源である地熱資源については、シミュレーション技術開発や小型高効率型の発電システム施術の開発等に9.5億円の新規予算が確保された他、総額で前年度を約24%上回る113億円の予算が確保された。

前年度の2倍となる84億円の予算が確保されたのは、再生可能・未利用エネルギー熱利用分野。エネルギー利用の熱損失を低減して熱を有効利用する技術の開発に15.5億円、再生可能エネルギー熱利用高度複合システム実証事業補助に27.5憶円の新規事業予算が確保された。

再生可能エネルギー・省エネを支える素材を重視

再エネ・省エネを支える技術として注目されるのが素材関係。省エネのために求められる軽量化に貢献する、チタン合金や炭素素材等の高性能材料の開発に40.9憶円の新規予算が確保された。先端省エネルギー等部素材開発に4億円の新規予算が確保されたほか、次世代自動車向け高効率モーター用磁性材料技術開発事業には、前年度比50%増となる30億円が確保された。

国内エネルギーは天然ガスとメタンハイドレド

資源確保の分野で、国産のエネルギーとして重視されているのが天然ガスとメタンハイドレドだ。国内天然ガス基礎調査には、昨年を約16%上回る170.1億円の予算が濃く干された。メタンハイドレド開発促進事業については、前年度より減額となったものの87.3億円の予算が確保され、商業化に必要な技術整備が行われる。

化石燃料の有効利用も重視されている。石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)とCO2分離・回収を組み合わせたゼロエミッション石炭火力発電の実現を目指し、IGFCの基幹技術である酸素吹石炭ガス化複合発電の実証実験に、前年度の5倍となる70億円の予算が確保された。

環境技術で世界のインフラ需要獲得へ

省エネルギーや再生可能エネルギー分野で、我が国のエネルギー産業の海外発展、市場開拓を促進するため、海外において共同実証事業を促進するための予算に、前年度とほぼ同額の205億円の予算が確保された。相手国に応じて柔軟にオーダーメイドし、相手国企業・政府との戦略的連携を目指す。

省エネ・再エネインフラ設備の新興国への導入促進事業には、12.9億円の新規予算が確保された。