省庁動向 2013年度 農水省予算原稿

 

2013年度環境関連予算(農林水産省編)

地方の農山漁村整備計画を後方支援というスタンス

 

2013年度の農林水産省環境ビジネス関連予算は、東日本大震災の復興支援を特別に区分せず、復興支援も含めて農山漁村整備を推進する予算となった。国主導で事業を進めるものと地方の計画を支援するものの両側面からの予算編成となっている。地方の力も引き出しながら、国内の力量を高めて国際的な競争力も強化したいという「攻めの予算」というのが同省の謳い文句だ。

震災後に注目される農林水産分野の新エネ・省エネ

農山漁村に豊富に存在する土地、水、風、熱、バイオマス等の再生可能エネルギーを最大限に活用して、地域の農林漁業の発展を促進しようという政策が示されている。再生可能エネルギーを活用して地域の農林漁業の発展を図る取り組みを、5年後に全国100地区実現するという政策目標が掲げられた。その中心に位置付けられているのが小型小水力等発電とバイオマス利用だ。

小水力等発電の再生可能エネルギー導入に向けた計画作成を、2016年度までに全国約1,000地域で着手するとして、前年度比で約46%増となる約10億円の予算が確保された。

バイオマスでは、2020年に約2,600万炭素トンのバイオマス利用と約5,000億円規模の新産業創出を図るという目標が設定され、地域バイオマス産業化推進事業に約12.8億円、木質バイオマス産業化促進に約5.6億円の予算が確保された。

省エネの分野では漁船等の省エネ化技術開発に約1.3億円の予算が確保された。

環境保全型事業は農業に加え水産業でも

次年度までにエコファーマー累積新規認定数を34万件、有機JAS認定農産物の生産量を2007年度比50%増にすることが政策目標に掲げられた。地球温暖化対策や生物多様性保全に効果が高い営農活動に対する支援は、前年度同額の約26.4億円の予算が確保された。

「水産業・漁村の多面的機能発揮支援」事業の中で、水産多面的機能発揮対策に約3,500億円の新規予算が計上され、その事業の中に「地球環境保全」の取り組みも組み込まれた。漂流・漂着物処理や藻場の保全といった、前政権時にも予算化されていた事業が取り組まれる。

CO2吸収源となる森林整備で地方の力に期待

森林・林業の再生を図り、森林吸収源の確保に向けた森林整備事業・治山事業には、前年を若干上回る約1,796.4億円の予算が計上された。

加えて、地域の自主性を活かして森林の整備・保全を進める事業に対する支援事業として、「森林・林業再生基盤づくり交付金」制度が新設され、約16.1億円の予算が確保された。高性能林業機械整備、木材加工流通施設等整備、木質バイオマス利用促進施設整備、森林資源保護、木造公共建築物整備等の事業を対象に交付される。

さらに、森林の多面的機能発揮のために地域の活動組織が取り組む事業の支援には、約30億円の予算が計上された。里山林維持の景観保全や整備活動、未利用資源を収集し、木質バイオマスや炭焼き、椎茸原木などに利用する活動、森林環境教育や森林レクリエーション活動などが支援の対象となる。

食料自給向上のため国内農林水産物の消費拡大へ

食料自給率の向上に資するよう国内農林水産物の消費拡大を促進することが政策目標に掲げられ、「日本の食を広げるプロジェクト」に約40億円の新規事業予算が計上された。国内外の食に対する多様な関心の高まりを活用して国内農林水産物の消費拡大につなげる。

地産地消により地域での消費拡大、地産地消の消費拡大の取り組みを全国規模に広げる取り組み、国内農林水産物の海外展開の3つの柱で消費拡大を目指す。グリーンツーリズムや環境教育の一環としても国内農水産物消費が取り組まれる。地域の食材に対する目利き、地域の生産物の全国への供給と物流、海外進出を可能にする品質向上とブランド食材の開発などが課題となる。