環境ビジネスの視点

「環境の世紀」といわれる21世紀。自律的発展段階に入った環境ビジネスは、今後どのような場面で躍進し、その価値を高め、持続可能な発展に向けた社会構築の中で定着していくのか? このコーナー「エコビズの視点」では、環境ビジネスを取り巻くさまざまな事象をテーマとして取り上げ、エコビジネスネットワーク独自の視点で解説していきます。(不定期更新)

今こそ問われる企業の資質

作者: 安藤 眞 2009年 12月 13日(日曜日) 16:31

ゼネコン大手各社は、いよいよ本腰を入れて環境事業に注力し、経営の柱のひとつに据える構えだ。背景には新政府が2020年度までに1990年度比で温暖化ガスを25%削減する目標を表明。オフィスビルや商業ビルなどの民生部門のCO2(二酸化炭素)排出量が全体の約2割を占め、また10年4月から改正省エネ法が施行。東京都も大規模事業所への排出総量削減義務を導入するため、各社はビルを所有する不動産会社などが対策を強化する、と見込んでいる。そこに商機あり、と見ているからだ。
ビル建設の着工率の減少、新政府の大型の公共事業の見直しなどで、収益の大幅縮小は避けられないため、各社とも新たな収益源確保に迫られての環境事業への取り組みである。大成建設は、従来の環境関連部署を一元化して「環境本部」を設置。設計や営業などの担当者を結集して約100名規模で取り組む。省エネビルの建設受注を3年で20件。その他、工場跡地などの土壌浄化、生物多様性の保全できる都市計画などのメニューをそろえ、環境事業を手がける。清水建設は9つきに省エネ型オフィスのショールーム「超環境型オフィス・ラボ」を都内に開設。鹿島建設は電流を細部で制御して電力を抑制できる新型空調に切り替えるなどの改修工事をビル所有会社などに提案していく。大林組はコンクリートの床の裏側に蓄熱効率を高める空調技術の実用化を進める。竹中工務店はオフィス内の座席ごとに空気の微調整可能な空調システムを提案するという。
各社ともに横一線の空調更新がメインメニュー。新規性なし、新市場を開拓するには材料不足の感は否めない。電気設備関連の事業分野である。まずは低炭素社会のグランドデザインを示すのがゼネコンの役割ではないか。今後の革新的な進展を期待したい。

   

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