環境ビジネスの視点

「環境の世紀」といわれる21世紀。自律的発展段階に入った環境ビジネスは、今後どのような場面で躍進し、その価値を高め、持続可能な発展に向けた社会構築の中で定着していくのか? このコーナー「エコビズの視点」では、環境ビジネスを取り巻くさまざまな事象をテーマとして取り上げ、エコビジネスネットワーク独自の視点で解説していきます。(不定期更新)

リサイクル事業

作者: 安藤 眞 2009年 11月 29日(日曜日) 12:46

各地の現場を歩いてみると、おおむねリサイクル事業の場合、採算が取れていないケースが多い。なぜなのか。私は、リサイクル事業は常々製造業だと思っている。製造業を考える場合、まず質の高い原材料をいかに安く量を確保するかが基本である。次に、生産ラインでの設備の良し悪し、製造コストや生産効率などを考える。そして、完成した製品の商品価値の有無である。製品の価格・品質(機能)、見た目(デザイン)が受け皿としての市場と折り合いがつくかどうかである。つまり、製品が商品として市場に流通しなければ事業として成立し得ないということだ。
製造業のそうした観点からリサイクル事業をなぞってみたい。リサイクル事業では、廃棄物(原材料)を資源化するリサイクル工程、リサイクル製品の市場性に関わる出口。リサイクル事業においても入口から出口まで製造業としての発想が必要である。
入口では原材料となる廃棄物をいかに量として確保、それもちゃんと分別された高品質のものを調達できるかが重要になる。無分別のものはいかにコストをかけずに分別するか。リサイクル事業の成否はここで決まる。次に、廃棄物の再資源化のリサイクル工程は、製造業でいえば生産ラインに当たる。リサイクル事業も同じで、適切な設備屋生産性がここで問われる。多くの場合、採算性はおろか適切な設備や生産ラインを導入していない。リサイクル設備の規模は、入口の量によってきまる。そして出口だが、マテリアルあるいはサーマルリサイクル製品の用途はあるか、あるいは市場性があるか。用途や市場ニーズがない限り、リサイクル事業として成立しない。
要は、出口(市場)のないリサイクル事業は最初から取り組むべきでない。製造業に通じないリサイクル事業は、避けたほうが無難である。
   

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