環境ビジネスの視点

「環境の世紀」といわれる21世紀。自律的発展段階に入った環境ビジネスは、今後どのような場面で躍進し、その価値を高め、持続可能な発展に向けた社会構築の中で定着していくのか? このコーナー「エコビズの視点」では、環境ビジネスを取り巻くさまざまな事象をテーマとして取り上げ、エコビジネスネットワーク独自の視点で解説していきます。(不定期更新)

Re-ビジネス

作者: 安藤 眞 2010年 3月 15日(月曜日) 22:45

 古くなったモノを無原則に廃棄して、また新たに資源やエネルギーを投入して新しいモノを作り出す<Build>にReを冠につけた<Re-Build>(再生)という発想が環境ビジネス創出の発想のひとつになっている。私はRe-ビジネスと呼ぶが、たとえばエネルギー分野では<Renewable>というReのつく再生可能なエネルギーで、太陽光・太陽熱、風力、バイオマス、水素、地熱など。またマテリアル分野では、使用済み製品を含む廃棄物はReduce(減量、減容)、Reuse(再使用)、Recycle(再利用)、Repair(修理)、Reform(改修)、Retrofit(機能更新)などだが、こちらも冠にReがつく。
 エネルギー資源の90%以上を海外に依存するなど、先進国で一番の資源小国の我国にとって、このRe-ビジネスがキーワードになる。"資源争奪戦"といわれる今世紀において、我国の生命線であるエネルギー資源を海外依存から国内調達可能な純国産のエネルギー資源へのシフトが命題である。つまりRe発想の再生可能なエネルギー開発がポイントなのだ。ちなみに、海外からのエネルギー資源は地下資源で、純国産エネルギー資源は地上エネルギーである。地上資源量の拡大はCO2排出削減、環境負荷を低減するものだ。またマテリアル資源に関しても、Reを準拠した廃棄物の再利用、中古品の再使用による資源確保が求められている。
 さらに劣化した自然環境をRe-Buildする自然再生事業―自然環境の修復・復元による生態系の改善も商機のひとつだ。多自然型河川づくり、ビオトープ、里山の復元、森林再生、有機農薬などの他、汚染土壌の浄化も例として挙げられる。各地を歩くと、本来の川の流れを取り戻して生物多様性を守ろうと、防災上の機能低下がない小規模ダム、コンクリートによる三面護岸の撤去が加速している。こうした新たな公共事業も環境を軸としたRe-ビジネスなのだ。資源・エネルギーの大量投入の"Scrap&Build"から資源確保が重点の"Re-Build"への変化。そこに広がるRe-ビジネスは産業界に定着しつつある。

   

9 / 18 ページ