太陽電池の設置時の申請手続きの盲点

    「低炭素社会」をキーワードに政府・企業から一般家庭に至るまで、エコ対策は草の根的な浸透をみせている。「改正省エネ法」によって、太陽電池パネルを使用した省エネ住宅やオール電化住宅が急速に普及するとともに、企業においてもエネルギー管理・報告義務が「事業所単位」から「事業者単位」へ引き上げられるなど規制強化が進んでいるのだ。さらに政府は「スクール・ニューディール」構想の中で、全国1万2千の公立小中高校への太陽光発電システム設置を目標に、各自治体へ数千億円規模の投資を実施。こうした需要は地方経済への支援策として期待される一方、工事の請負企業にのしかかる高い参入障壁など、いくつかの課題も残している。

 

     その一例M社は都内で住宅や電気設備の製造販売・設計施工の請負などが業務で、従業員40人の工務店。近年、環境問題への関心の高まりや補助金制度の拡充など、一般の住宅にも太陽光発電が普及してきた。M社も何件か太陽光発電システムの設置に下請けとして携わってきた。M社の所在する地域には数十棟にのぼる公立校があり、設置工事を受注できれば大きな利益をもたらす。また、公共施設への太陽光発電システムの設置に参入することは、同社の将来を考える上でも大きな意味を持つ。早速M社は、地域で開催される説明会などで情報を収集。大きな期待をもって入札に参加し、中学校2校への設置工事を落札した。しかし、いざ作業着手という段階で、思わぬところに落とし穴があった。

 

 

    その原因は、不慣れな「電力協議」や「電力申請」というもの。電力会社への大量の申請書類の提出や継続的な協議といった事前やりとりばかりが長引き、承認は下りない。新規参入であるM社の盲点はここにあった。ようやく電力会社側から承認を取れたものの、遅れた工期は取り戻せず、結局M社は指定された納期を守ることができなかった。納期の遅れは、そのまま企業の信頼性の低下につながり今後の入札にも影響する。今後も施工数の増加傾向が予想されるだけに、“申請手続きへの対応策”は早急に解決しなければならない課題だった。他の新エネルギー、リサイクル分野においても新規参入での申請書類の数の多さや煩雑さに頭をかかえるが、それを避けては商機なしなのだ。