大規模災害からの復旧に欠かせないビジネス

▼今世紀は、気候変動に伴う自然災害、大地震など人知を超える災害が多発することが予想される。これからの災害対策は、人間の考える「想定」によるところの防災整備は一定程度必要だが、それよりむしろ災害が起こった後の迅速な対応が求められる。リスクヘッジを災害前か、後かのどちらに置くかと言うと、後に置くべきなのだ。東日本大震災はその意味で多くの教訓を残してくれた。

▼災害地での人命救助を最優先として、災害廃棄物の撤去、寸断されたライフラインの復旧、壊滅状態の地域産業の復興、人々の日々の暮らしの安心・安全の確保など速やかな対応が、早期の地域再生の条件である。中でも復旧・復興の最大の障害になるのが災害廃棄物である。これまでの大規模災害で常に後手に回っているのが災害廃棄物の処理である。これからの廃棄物処理ビジネスで大きなウエイトを占めるのが災害廃棄物処理で、新たなビジネスチャンスとして注目されるだろう。

▼参入ポイントは、災害地の自治体や地元の廃棄物処理事業者などと連携して、廃棄物発生量の予測、一時保管場所や集積場の迅速な確保、これらを対応するに当たっての交渉、効率化によるコストの削減、廃棄物処理装置・機器、資金調達といったマネジメントの力量である。災害の規模もさることながら、災害地の地理的特性、地域の特殊な利害関係など、それぞれの現地での適切、かつ円滑な対応が問われる。東日本大震災でも、東京の大手のゼネコン、産廃業者と地域の同業者の連携が見られる。

▼こうしたノウハウ、経験などの実績を持つ建設・土木、廃棄物処理、コンサルなどの業者が新たなビジネスの場を開拓するだろう。大規模災害に対するリスク管理としても重要な役割を果たすと思われる。