新たな産業基盤開拓と公共投資の見通し

自民党から民主党へ政権交代。民主党は従来の公共事業の見直しを始めたが、すでに4~5年前から公共投資の質的な変化は起こっている。国交省の「平成 20年度建設投資見通し」によると、95年度がピークで約35兆円だったものが、08年は16兆5000億円と半減している。その分、環境に拠った次世代の持続可能な社会の実現に向けた公共投資が確実に増えている。従来型の公共投資先は ①道路、港湾、農地整備などの産業基盤整備 ②上下水道、通信網、各種公共施設などの生活基盤整備 ③治山、治水、災害などの防災対策整備だった。しかし、最近では年を追うごとに公共投資は従来型のものから環境分野へのシフトが色濃い。
国の重要政策テーマとして、地球温暖化対策、新エネ・省エネなどの技術開発、資源循環の促進、自然環境の保全など「環境」が挙げられていることからも、環境よりの新たな公共事業及び環境産業創出への比率が増加している。09年度の各省の予算措置も見ても、生物多様性保全、自然環境保全分野に前年度をはるかに上回る予算を取っている。海外では水質・生態系の悪化に加え、治水や経済効果からも疑問視され始めているダムの撤去のほか、湿地保全などの自然再生事業が主流。再生された自然は新たな漁場の創出、親水観光などの地域の産業創出に寄与している。
地球温暖化対策への公共投資は技術開発を目的とした産業投資が増大。CO2排出抑制のための技術開発に関わる基盤整備、建築物の長寿命化、低炭素地域づくりのほか、地域単位の大規模の太陽光発電、風力発電、バイオマス事業などの新たな産業基盤整備事業が進む。
質的な公共事業の転換期に、新しい形態の環境ビジネスの商機が拡大している。発想の転換と事業の軸足を変えることこそ、ここにビジネスチャンスが到来する。