家庭用太陽電池・燃料電池にかかる期待

1990年以降伸び続けている私たちの暮らしから排出するCO2(二酸化炭素)の削減で有効な手段として注目されているのが家庭用燃料電池だ。日本の家庭からのCO2排 出は、日本の総排出量13億7400万トン(2007年度)のうち、家庭で使う電力、ガス、灯油などのほか、自家用車のガソリン使用量を加えると、約 20%。その中で割合が大きいのは家電と照明で、13.5%を占める。各機種のさらなる省エネが求められるが、エネルギーの単なる消費から、消費するエネ ルギーを自ら創るという発想も重要だ。その鍵を握るのが家庭用燃料電池だ。
05~08年度に全国で家庭用燃料電池3307台の実証事業を実施。今年度から世界に先駆けて、一般販売(設置費用を支援する補助金制度付きで、1台上 限140万円)が始まった。家庭用燃料電池の統一商品名「エネファーム」は、エネルギーとファーム(Farm:農園)の造語。自家農園で農作物を作るよう にエネルギーの自給自足を、という意味。15年に75万台、30年に250万台の普及を目指す。通常の電気は排熱と送電ロスで、家庭で使えるエネルギーは 35%程度にとどまる。エネファームは従来捨てていたエネルギー(排熱)を給湯や冷暖房に利用できるので、85%のエネルギーを有効に使うことが出来る。
家庭用燃料電池の価格は約350万円程度だが、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によると、20年頃には40万円以下になり、本格普及期 に入ると予測している。メーカーサイドは「普及は早い。家電製品の価格に近づくのは困難ではない。家庭が投資する額は8年以下で回収できるのでは」とい う。技術面でも、1993年からの「ニューサンシャイン計画」で、国策として推進されてきた太陽電池と燃料電池。すでに世界をリードする太陽電池に続い て、有望視されるのが家庭用燃料電池だ。特許件数でも、日本企業が世界の約65%を占め、世界のトップランナーの地位を確保している。
住宅団地に150台のエネファームを設置した福岡県前原市は、世界最大の水素エネルギー都市。低炭素社会の新たなエネルギー基盤として、燃料電池に対する期待は大きい。